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【カヤックフィッシングキャンプ】釣り+海旅の贅沢なアソビ♪<パッキング編>

〈ギア編〉に続いて「カヤックフィッシングキャンプ」の〈パッキング編〉を紹介していきたいと思います。

こう見えてもサニー本橋はカヤックをはじめた20代前半のころから2013年にサニーコーストカヤックスを開業するまで、けっこうあちこちへと漕ぎに行っていました。

なんてったって(死語)カヤックを始めたきっかけは野田知佑著「日本の川を旅する」を読んだからなので、筋金入りのキャンプツーリング派だったのです。

フィッシングカヤックではないですが、三重県〜和歌山県の太平洋岸を漕いだり、瀬戸内海を小豆島あたりから山口県の祝島まで漕いたり、折り畳みカヤックを背負って海外の川や海も漕いできました。

そんな川旅、海旅は一週間から一ヶ月を超える期間のこともあり、膨大な荷物を積んで行ったものです。

特にカナダ・アラスカを流れるユーコン川などは、次の町に辿り着くのに7日くらい掛かるエリアもあり、その間は水以外の食料などは無補給で行かなければならず、当時は食事計画や荷物の選定に苦心しました。

その後、シーカヤックで海を旅するようになってからは折り畳みカヤックで川下りをするよりもさらにシビアなパッキング術が必要になり、カヤックの先輩たちから話を聞いたり、カヤック紀行本を読んで自分なりに工夫したりしていきました。

そんな知識と経験が、カヤックフィッシングキャンプでのパッキングにもとっても役に立っています。

ソロキャンプの時の装備品一式をズラリと並べてみました。
こういう図は、男の子はみんな好きですよね。笑
並べてた僕もめちゃめちゃ楽しかったです〜。

中身を出してみたイメージ。

しっかりパッキングして装備を積載した状態がこちら。

使用艇ロックンロールカヤックス【デスペラード】の最大積載量はカタログ値で約135Kg。
サニー本橋の体重が85Kgくらいなので、ざっくりと50Kgは荷物を積んでも大丈夫という計算になりますが、これだけの荷物でもさすがに総重量は多く見積もっても30Kgくらいだったのではないでしょうか。

ということはまだ20Kgほどは余裕があったことになりますね。
モンスター級のヒラマサを釣っても安心です。笑

ただ、この30kgの荷物を何も考えずに積み込んでしまうとカヤックのバランスが崩れてしまい、右側に傾いてしまったり、前が浮いて後ろが沈み過ぎてしまったりして、カヤックが本来持っている性能を発揮することができなくなります。
それはスピードが遅くなるとかバランスが悪くなるとかだけではなく、大きな事故につながる要因にすらなりかねません。

これからお話していくパッキングは、そのバランスを考えていくことなのです。

具体的なパッキング内容を見ていきましょう。
こちらはバウハッチ内に入れていた荷物たち。左のほうから、

・黄色い大きなドライバッグ
中身:フォールディングコットとチェア
ドライバッグの状態:経年劣化で完全防水ではないかも
カテゴリー:少しくらいなら濡れてもいいもの
重量:【重め】

・赤い細長い袋(ドライではないスタッフバッグ)
中身:テントのポール
バッグの状態:防水性のないスタッフバッグ
カテゴリー:少しくらいなら濡れてもいいもの
重量:【軽量】

・オレンジと黒のツートンのドライバッグ(真ん中部分は半透明でのぞき窓仕様)
中身:防寒着とヘッドライト
ドライバッグの状態:完全防水
カテゴリー:絶対に濡らしたく無いもの
重量:【軽量】

・黄色い小さなドライバッグ
中身:ファーストエイドキット
ドライバッグの状態:完全防水
カテゴリー:絶対に濡らしたく無いもの
重量:【軽量】

・メッシュバッグ
中身:食器類
バッグの状態:ほつれなどは無い
カテゴリー:濡れてもいいもの
重量:【軽量】

・紺?緑?のあまりきれいではない袋(スタッフバッグ)
中身:焚き火用五徳
バッグの状態:ぼろぼろ
カテゴリー:少しくらいなら濡れてもいいもの
重量:【軽量】

・青い袋
中身:IKEAバッグ
少しくらいなら濡れてもいいもの
重量:【軽量】

・上陸時用のサンダル
カテゴリー:少しくらいなら濡れてもいいもの
重量:【軽量】

そして荷物を収納した状態がこちら。

カヤック内は空洞なのでその気になればかなりの荷物が入いるはずなのですが、意外とハッチの開口部しか使っていないというのはよくあることです。
ポイントは大きなドライバッグを使わずに10〜15Lくらいのものに小分けしてパッキングすること。こうすることでカヤックのバウの先っぽにも荷物を詰めることができます。

もう一つ大事なのは荷物の仕分けです。

僕がやっているのは「濡れてもいいもの」「少しくらいなら濡れてもいいもの」、そして「絶対に濡らしたくないもの」の3種類に分けて、それぞれを小分けしてドライバッグやスタッフバッグにまとめています。

「濡れてもいいもの」は、例えば上陸した後に履くサンダルやウォーターバッグ、食器などです。
こういうものはドライバッグには入れず防水性のないスタッフバッグやメッシュバッグにまとめます。もしくはそのまま詰め込みます。

次に「絶対に濡らしたくないもの」は、寝袋、着替え、火器、電子機器です。
バーナーヘッドが濡れてしまうと料理に困りますし、スマホの充電器などは特に注意したいですね。もちろん寝袋や着替えも乾いた状態のほうが快適です。

残りが「少しくらいなら濡れてもいいもので、テント、コット、食材などがこれに当たります。(お米を持っていく場合は「絶対に濡らしたく無いもの」にカテゴライズされ、zipロックに入れてから他の食材と一緒にします)

今度は重量バランスについて話をします。

まず、すごく重いものは自分が座るカヤックの中心(≒重心)の近くから配置します。今回でいうとウォーターバッグがそれに当たります。

そしてカヤックのキールに沿って重いものを置きます。コットはバウハッチから中央に向かって詰め込みました。
サンダルや貴重品バッグ、食器が入ったメッシュバッグなどは軽いので、キールラインから離れていても底面から離れていても構いません。

そしてバウの先端には軽くて細長いものを突っ込みます。今回はテントのポールを差し込みましたが、過去には非常食の棒ラーメン、食材のネギなどを突っ込むこともありました。
ここに重いものを積み込むと、波に翻弄された時にカヤックの先端に負荷が掛かるので注意してください。

スターンのラゲッジスペースには大きな透明のドライバッグを置きました。次はこの中身を紹介していきます。

・ベージュのバッグ:キッチンペーパーと調理器具入れ → 【少しくらいなら濡れてもいいもの】【軽量】(※キッチンペーパー<トイレットペーパーなのでそれほど大事していません笑)

・白い袋:ホットサンドクッカー → 【少しくらいなら濡れてもいいもの】【重め】

・MSRの黒い袋:コッヘル(鍋)とやかん → 【濡れてもいいもの】【軽量】

・紫色のドライバッグ:バーナーと燃料 → 【絶対に濡らしたくないもの】【重め】

・青いドライバッグ:焚き火セット(グローブと火箸、焚き付け) → 【絶対に濡らしたくないもの】【軽量】

・オレンジと黒のツートン:寝袋と枕 → 【絶対に濡らしたくないもの】【重くはない】

・黒いドライバッグ:コーヒー豆と調味料 → 【少しくらいなら濡れてもいいもの】【軽量】

・赤いドライバッグ:テント本体 → 【少しくらいなら濡れてもいいもの】【重め】

・カーキ色の袋:トイレットペーパー → 【絶対に濡らしたくないもの】【軽量】

というように小分けしておくと、それぞれの濡らしたくない度、重さが把握しやすくなります。
これを最初から大きなドライバッグにまとめて放り込んでしまうと荷物を出すたびに濡れてもいいものと絶対に濡らしたくないものが混在し、重量バランスもコントロールしにくくなります。

実際には収納場所の問題もあり、今回は上の写真の透明ドライバッグにまとめたかたちになりましたが、重量バランスはちゃんと考え、重いものが下のほうに来るように配慮しています。

そしてカヤックに積載した時も座りがいいようにしました。
透明のドライバッグの下にビルジポンプとビルジスポンジを置いて隙間を埋め、手前側にスペアパドルを差し込んでブレないように工夫してあります。

食材と缶ビールをいれた水色のソフトクーラーバッグは意外と重かったので、釣った魚を入れるオレンジ色のソフトクーラーバッグと並べて自分のすぐ後ろに配置しました。
この2つのソフトクーラーバッグの総重量はなんだかんだで透明ドライバッグ1つ分とそれほど変わらないくらいでした。食材やお酒は重いですね。

最後にセンターハッチを見ていきます。

もちろん使い勝手も大事です。
釣った魚を入れるソフトクーラーバッグを手の届くところに置いたのと同様、センターハッチにはタックルボックスを置きました。
タックルボックスはジグが入っているので地味に重めですが、重心を崩すほど重いわけではありません。でも釣りもしたいのですからコイツはここが定位置なのです。

このすぐ奥には貴重品入れと飲料水などをIKEAバッグにまとめて入れています。

センターハッチの前方奥にはウォーターバッグを配置。

ウォーターバッグはMSR「ドロメダリーバッグ6L」を持っていきましたがこの配置が失敗でし
重量バランスがバウヘビー(前過重)になってしまい、足先のスカッパーホールから水がダバダバ湧き出してきてしまったのでゆっくり漕がなければならなくなりました。笑
帰路は配置を変え、シートの真下くらいに押し込んだところ、前後の重量バランスも整って漕ぎやすくなりました。

慣れてしまったのであまり考えなくてもそれなりにパッキングできるようになりましたが、今回のようにちょっと失敗してしまうこともあります。昔はもっと苦心していたと思います。
こうした重心バランスを整えることをトリムコントロールを取ると言います

トリムコントロールをちゃんとしないと、カヤックの挙動がおかしくなることもあります
ウォーターバッグの置き場所を変えずにそのままバウヘビーにしていたら、少し波が立って来ただけでバウが波に刺さるようになりスピードが落ち、また、デッキまで水に潜るようになるとバウハッチから浸水する可能性も高まります。

重心が高くなると左右のバランスが悪くなることがあります。

過去の事故事例として、大きなクーラーボックスをラゲッジスペースに積載するために棒状のもの(ポール、フレーム)をはしごのように取り付けてクーラーボックスをその上に固定したため重心が高くなり、転覆してしまった事案があります。
このケースの場合、クーラーボックスの中身が固定されていないので右に左にと動いてしまう危険性もあったと思います。例えばブロック氷は2L=2kgあるので、それが水面から離れた高い位置で左右に動いたらバランスが悪くなるのは想像に難くないと思います。

こうした危険な艤装をしないよう、自分でちゃんと考え、分からないことがあればメーカーやプロショップに相談するようにしたいですね。

さて、「カヤックフィッシングキャンプ」のススメ後編<パッキング編>、いかがでしたでしょうか?

普段カヤックフィッシングをする時にも重量バランスに気を付けるように心掛けてみると、もしかするとパドリングが楽になるかもしれません。
まずは身近なことから、出来ることことから実践してみてはいかがでしょうか?

重積載するのならばこのくらいの知識は知っていて、しっかりパッキングできる技術がないと大事故につながりかねませんので十分注意してくださいね。

最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました~!!

 

「カヤックフィッシングキャンプ」のススメ前編<ギア編>はこちら

【カヤックフィッシングキャンプ】釣り+海旅の贅沢なアソビ♪<ギア編>

 

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